住宅設備システムの評価法の開発
建築研究報告 No.87 ANNEX1 1979 建設省建築研究所
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<概要>
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本研究は、住宅設備に対するユーザーの要求を的確に捉え、住宅設備の評価と選定のシステムを体系化したいという大きな目的の下に行われたものである。
研究の内容として、以下の内容が挙げられる。
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評価、又は選定システムを作るに際し、住宅設備全体を対象にしていること。
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評価システム、選定システムとも、ユーザーが利用しやすい形式にするという点に留 意したこと。
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全体の構成として、住宅設備に関する初歩的な知識の提供から、段々に専門的な内容 のものを提供して、最終的に選定を行うことができるような情報の流れを明らかにした こと等である
一口に住宅設備といっても、これに含まれる領域は暖冷房、給湯、換気、給排水、電気、ガス、調理等と極めて広い。従来、暖房とか換気とか設備各論に関しては、その評価を行おうとする調査研究も見られるが、全体を把握して、選定システムまで提供しようとしたのは、今回が初めての試みであると考える。
我が国の住宅設備は、各分野で過去20年間、開びゃく以来と言っていいほどの急激な変化を遂げた時期にあったと言える。例えば、水洗便所の普及、暖房・給湯設備の普及等、それ以前には殆ど一般住宅にみられなかったものが、今や一般的になりつつある。そして、このような急激な変革は今後も当分は続くと考えられる。
一般ユーザーは勿論、専門業者・研究者とも、このような急激な変革の時期にあって、何をどのような方法で選んだらいいかという点については不安ととまどいを持っている。本研究は、このような情勢に対処すべく、判りやすくて使いやすい評価・選定のシステムの提供ということを第一の目標として、研究を進めたものであり、ユーザーが設備を選定する際の一助となれば幸いであると考える。
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