■建築研究報告

蒸気養生コンクリートの圧縮強度に関する研究

篠沢  和久 (51)

建築研究報告  No.52,  昭和43年3月  建設省建築研究所


<概要>

  一般にプレキャストコンクリート部材などを蒸気養生する場合,次のような諸点が要望されている。
  1. コンクリートの打込みから8〜10時間で100kg/cm2以上の圧縮強度を確保して,型わくの取外し,移動などを安全に行うとともに,少なくとも1日2回転の作業を可能にすること。

  2. 材令3〜7日において所要の圧縮強度(200kg/cm2以上)を発揮させて,工場出荷ならびに現場の組立作業を可能にすること。

  3. 材令28日程度の長期材令において,標準養生(20℃,水中)を行ったコンクリートと同程度の強度と良好な諸性質を保つこと。

  本研究は上記の要望事項を満足するような条件を見出す目的で行ったものであり,その内容の主要な点は次のごとくである。

  1. 蒸気養生初期のコンクリート強度が養生温度に比例して増大し,長期強度およびその他の諸性質を良好に保つような養生条件,すなわち養生温度に応じた適正な閉鎖・加圧力を求める。

  2. 蒸気養生温度に適応した閉鎖・加圧条件をあたえたときの任意の材令におけるコンクリートの圧縮強度を推定する方法,および任意の材令において所要の強度を得るために必要なコンクリートの調合と蒸気養生条件を定める方法を求める。



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