■建築研究報告

アルカリ骨材反応を生じたコンクリートの補修方法に関する一実験
−亜硝酸リチウムの含浸による膨張抑制効果−

友沢史紀, 桝田佳寛, 阿部道彦, 田中  斉, 田村公一, 東ヶ崎清彦

建築研究報告  No.124,  1990  建設省建築研究所


<概要>

  近年、コンクリートの耐久性が社会的にも問題視され、これを改善するための方策が種々講じられている。本研究では、アルカリ骨材反応により劣化したコンクリートを対象とし、その補修方法の一つとしてアルカリ骨材反応に化学的に関与して膨張を抑制するとされているリチウム化合物をコンクリートに含浸させる方法に着目し、その膨張抑制効果について検討したものである。
  コンクリート供試体として、10×10×40pの角柱供試体を使用し、促進試験条件はモルタルバー法に準じて40℃の湿空とした。コンクリートに含浸させるリチウム化合物として亜硝酸リチウム25%水溶液を用い、含浸時のコンクリートの膨張率、含浸量および含浸後の促進劣化条件が含浸後のコンクリートの膨張に及ぼす影響を亜硝酸リチウムを含浸させないコンクリートと比較することによって検討した。
  その結果、亜硝酸リチウムの含浸量はコンクリートの乾燥の程度に大きく依存し、その含浸量がアルカリ骨材反応を生じたあるいは生じるおそれのあるコンクリートの膨張抑制に支配的な影響をもつこと、また、亜硝酸リチウムを含浸したコンクリートが水と接する場合にはリチウムイオンの溶出による膨張抑制効果の低減があることが明らかになった。


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