総合都市交通体系調査における非集計行動モデルの適用性
浅野光行, 武政功, 原田昇
建築研究報告 No.116, 1988.3, 建設省建築研究所
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<概要> |
都市交通計画の対象とする課題の多様化は,従来からの集計モデルによる4段階推定に加えて非集計行動モデルによる需要の分析・予測の必要性をもたらした。個人選択理論に基づく非集計行動モデルは論理性が高く,データ効率,モデルの操作性において優れた特徴を有しており,集計モデルでは対応の難しいサービス水準の向上等のソフトな施策の評価にも適していると考えられる。
本研究においては,非集計行動モデルの総合都市交通体系調査への適用を進める上で指針となるモデルの概要,適用手順及び適用の事例についてとりまとめている。すなわち,研究の目的(第1章)及び非集計行動モデルの理論的な基礎と特徴(第2章)について整理したのち,非集計行動モデルを総合都市交通体系調査に適用するためのデータ収集と加工,モデル推定,モデルを用いた評価等の手順について述べる(第3章)。次いで,バスと自動車の手段選択問題について,非集計行動モデルを実際に適用する場合の計算手順について説明する(第4章)。最後に既存の非集計行動モデルの総合都市交通体系調査への適用事例を整理し,実用的な適用課題と手順を明らかにする(第5章)。今後はさらに適用の事例を加えることにより,非集計行動モデルの適用可能性を拡大していくことが課題となろう。
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