■建築研究報告

人工大地構法による遊水池の多目的利用(構造編)

岡本 伸, 北川良和, 瀬尾文彰

建築研究報告  No.107  June  1984  建設省建築研究所


<概要>

  人工急増都市圏域では,河川流域の都市化とこれに伴う洪水被害がゆゆしい問題となっている。そこで,遊水地の遊水機能を確保したうえで,浸水に対して安全な各種都市施設を計画的に整備し,治水対策と都市空間の有効利用とをあわせて行う技法の必要性が高まってきている。
  本報告書は,上記の主旨にもとづいて建築研究所と静岡県が実施した共同研究「重層人工大地による遊水地の多目的利用」の研究成果を取りまとめたものである。報告書の構成は2部からなり,第1部には「計画」に関する部分を,第2部には「構造」に関する部分をまとめ,それぞれ別冊になっている。「構造」編では,第1編において提案した人工大地基盤構造の耐震性能を総合的に検討しており,それに関する内容は概略次のとおりである。

第1章では,都市のインフラストラクチャーとして,通常の建物より長い耐用年限が要求される。人工大地基盤構造(メージャーストラクチャー)の耐震安全性を評価する場合に必要な,基本的考え方を述べている。

第2章では,本計画の対象地域である静岡県麻機地区が,地震予知会議から強震観測強化地区に,また,国土庁から地震防災対災強化地区に指定されていること,ならびに糸魚川・静岡構造線東縁談層の近くに位置していること等を鑑み,特別な観測点を設け地震観測を行い,いくつかの地震の記録が得られているので,その概要を述べている。

第3章では,人工大地基盤構造の構法として第1編で提案したものに関し実験を行い,上記地震観測結果を考慮して,総合的な耐震安全性に関する考察を行っている。


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