昭和59年度を初年度とする日本とインドネシア共和国との間での研究協力（住宅）は、昭和62年3月末をもって、一応の節目を迎えた。この研究協力の成果は、昭和62年度より住宅・都市ならびに建築材料についての第三国セミナー（JICA事業）に反映されることになっており、また昭和62年度以降、本研究協力事業は、長期ならびに短期の専門家派遣を通じて研究のフォローアップがなされている。
  本資料はこの三年間における研究協力事業において実施した多くの調査のうち、第二年度目に実施された「住み方調査」の結果を中心にとりまとめたものである。とりまとめにあたっては、通常の研究資料とは異なり、調査の準備段階からの経過報告的な内容も含めている。また日本側の分析結果だけではなく、インドネシア側での分析結果をも参考資料として添付した。その理由は、今回のような途上国との実質的な研究協力が、第一研究部・第六研究部にとって新しい経験であり、調査結果のみのとりまとめを行うだけでは、今後同種の研究協力を進めるに際して、十分な参考資料とはならないと考えられたからである。本資料がこの分野での国際協力に関心のある諸兄になにがしかの参考になれば幸いである。

  昭和63年3月