■建築研究資料 |
No.194号(2019(平成31年) 4月) |
<概要> | |||||||||||||||||||||||||||||||
2017 年9 月19 日にメキシコ中部のプエブラ州で発生したメキシコ中部地震は、震源から約120km離れたメキシコシティにおいても、大きな被害をもたらし、20 数棟の建築物が倒壊し、死者の数は200人超に及んでいる。本地震から32 年前には、良く知られたメキシコ地震が発生しており、以来、当地
においては地震観測網が拡充されるとともに、地震動特性や表層地盤の増幅特性、構造物の非線形挙動等に関する先進的な研究が行われてきた。これらの成果は耐震基準にも反映されている。1985年のメキシコ地震では長周期地震動が発生し、近代都市を構成する中高層の建築物に大きな被害をもたらした。現在、日本においても、長周期地震動の問題が顕在化しており、メキシコシティでの建築物に係る防災対策に関する現況や効果、今後に向けた動きを、今回の地震被害調査を通し、把握することは、我々にとっても得るものが大きいと考えられる。 本報告書は、このような状況認識の下、地震発生後から2か月後に、メキシコ国立防災センター(CENAPRED)の支援、協力の下に行った建築物の地震被害調査の結果を報告するものである。 | |||||||||||||||||||||||||||||||
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