■建築研究資料 |
平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震における建物の強震観測記録 |
<概要> |
建築研究所は、実際の地震時の建物や建物を支持する地盤の挙動を計測し、その分析結果を建物の耐震性能の向上に役立てるために、建物を対象とした強震観測に取り組んでいる。建築研究所の強震観測の歴史は50 年以上に及び、これまでに多くの貴重な成果を挙げてきた。 本報告は、東北地方太平洋沖地震の際に、建築研究所の強震観測ネットワークで得られた強震記録をまとめたものである。強震観測記録やその分析結果は、前述のようにウェブサイトに随時掲載し、更に被害調査報告書や学会発表などで紹介してきたところではあるが、地震発生から1 年を機に、全体が把握できるように報告書の形でまとめることとした。まず2 章では、東北地方太平洋沖地震が発生した2011 年3 月時点での建築研究所の強震観測ネットワークの概要を述べる。次に3 章では、東北地方太平洋沖地震で得られた強震記録の概要として、本震と主な余震で観測された強震記録の一覧を示している。更に4 章では、すべての超高層建物9 棟と、地表、あるいは地表に観測点がない場合は建物内の地表に近い加速度計で震度5 弱以上(計測震度4.5 以上)が得られたすべての建物27 棟(免震建物4 棟を含む)の計36 棟の建物で得られた強震記録について、詳細に述べている。今後、得られた強震観測記録を基に更に詳細な分析や解析を行い、順次報告する予定である。 |
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