■建築研究資料

大地震動時における木造軸組構法住宅の倒壊解析手法の開発

No.128号 (2010(平成22年)11月)

中川貴文
90p


<概要>
 木造住宅の大地震時の動的挙動を振動台実験や数値計算によって把握する試みは、特に兵庫県 南部地震以降、研究分野で盛んに行われるようになった。また近年のコンピュータの高性能化に 伴って、建築物の地震時の挙動を、汎用の計算ツールを用いた数値計算によって知ることが身近 になってきている。しかしながら、建物が倒壊に至るまでを計算によって追跡するには、著しい 非線形性を考慮する必要があり、現状の計算ツールでは解析が難しいのが現状である。 建築研究所では倒壊までを追跡できる解析手法の確立を目指して、下記の2 つの基盤研究課題 を実施してきた。 「部材の強度分布を考慮した木造軸組躯体の破壊シミュレーション法の開発(H17〜19)」 「倒壊解析プログラムを利用した木造住宅の耐震性能評価システムの開発(H20〜H22)」  この基盤研究の中で、地震時の木造軸組構法住宅の動的挙動及び、倒壊過程を、接合部、部材 レベルの構成要素の実験データを入力することでシミュレーションできる解析手法の開発を行っ た。この解析手法は個別要素法を基本理論として用い、立体骨組モデルの時刻歴応答解析を行う 数値計算プログラムを作成した。このプログラムによる解析結果はいくつかの振動台実験により 信頼性の検証を行った。  その結果、構面と接合部の要素実験の結果から解析モデルを構築し、木造軸組構法住宅の振動 台実験における倒壊過程を精度よく再現することが、本解析手法によって可能であることが分か った。本研究で開発された解析手法の計算プログラムは倒壊解析ソフトウェアとしてまとめられ 建築研究所のホームページで公開されている。

表紙 137KB
概要 289KB
目次 372KB
 第1章 378KB
 第2章 488KB
 第3章 7,953KB
 第4章 286KB
 参考文献 312KB
 付録 789KB
 謝辞 282KB
奥付 306KB
   
全文 8,488KB


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